乳がんの発症とがん抑制遺伝子変異の関与度

2013年06月03日 07時00分
【大紀元日本6月3日】米人気女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(37)が乳がんの発症を防ぐために乳房の切除術を受けたことが話題になった。がん抑制遺伝子のBRCA1とBRCA2はどれ程乳がんの発症に関与しているのか、どのように対処するのかに関して、米国CATV・CNNの報道から情報を纏めた。

 BRCA遺伝子とは

 BRCA1とBRCA2遺伝子はがん抑制遺伝子の一種で、私達の身体には2組あり、1組は母から由来、もう1組は父から由来したものである。この遺伝子に突然変異が発生した場合、発がんに対する抑制作用を失い、乳がんと卵巣がんの発生率が高くなる。

 BRCA遺伝子変異とがん発生率

 女性にとって、BRCA1の変異があれば、乳がん発生のリスクは60~80%あり、卵巣がん発生のリスクは30~45%あることを意味する。BRCA2の変異があれば、乳がん発生のリスクは50~70%あり、卵巣がん発生のリスクは10~20%あることを意味する。

 必ず遺伝子検査を受けるべきか

 実際には乳がんの発症者のうち、BRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異に関与する患者は約5%。卵巣がんの発症者の中のうち、BRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異に関与する患者は約10~15%にとどまり、多くの乳がんと卵巣がんの発症がBRCA1あるいはBRCA2遺伝子の変異に関与していない。したがって、すべての人がこの遺伝子検査を受ける必要はないといえる。しかし、家族の中に乳がんか卵巣がんの患者があった場合、BRCA1とBRCA2遺伝子変異は比較的高い率で現れるため、検査を受けた方が良いと考えられる。一般的に25歳前にはこの検査を受ける必要はないとされている。

 遺伝子変異時の対応

 BRCA遺伝子の変異が見つかったら、乳房と卵巣の切除手術を受けるべきかどうかは、遺伝学の専門家、腫瘍外科、形整外科の医師の意見を聞いてから決めるべきである。遺伝子変異があった場合、確かに乳がんと卵巣がんのリスクは年齢の増加とともに高くなるので、予防性の手術を決める時、年齢は一つの重要な参考条件である。また、がん検診によって乳がんの早期発見は可能であり、早期の乳がんは根治しやすいことから、急いで乳房を切除すべきではないという意見もある。一方、卵巣がんの早期発見は難しいため、BRCA1とBRCA2遺伝子の変異が見つかったら、卵巣がんのリスクを下げるため、35歳から40歳の間に予防性卵巣摘出手術を受けたほうがよいという意見もある。

 日本の厚生労働省医療課によると、国内の公的な医療保険制度は基本的に予防関連の医療を対象としておらず、乳がんの予防切除は保険の適用外。現在、この遺伝子検査は国内80以上の医療施設で受けることが可能で、導入された20年以降、約1600人が検査を受けた。

 (翻訳編集・東山)


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