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村上F捜査報道でアク抜け感、信用買い残の整理促す契機に

【ロイター6月2日=東京】村上世彰氏率いるM&Aコンサルティング(村上ファンド)に対して東京地検特捜部が捜査に乗り出したとの報道が、株式相場にアク抜け感を誘う形になった。関連銘柄を中心に全体のショック安が懸念されたが、一時急落した日経平均株価は戻り歩調に転じ、相場に対する影響は限定的だった。しかも、これまで需給面での重石となっていた信用買い残の整理を促す契機となり、戻り相場に転じる可能性も出ている。

 きょうも前日に続き、個人投資家の信用取引で買った建て玉を投げる動きが活発化した。市場関係者によると「きのうあたりまで我慢している様子がうかがえたが、さすがに村上ファンドの捜査報道でこたえた格好。あきらめて売った投資家が多かったようだ」(中堅証券支店営業担当者)という。

 朝方こそ、米国株式市場の上昇を受けて買い優勢となった。しかし、買いが一巡した後は「投げ売りに押された格好。セリングクライマックスになった」(岡三投資顧問・常務の伊藤嘉洋氏)との声が出るなど弱気ムード一色になり、日経平均は一時200円を超す下げを演じた。

 もっとも、前場終盤に突っ込んだところがボトムとなり、相場は一転して急速に戻す展開になった。市場では、前引けの段階で「後場に入ると、追い証が入らなかった株について、自動的に売りが出るとみられるため、その動きに注目。そこをしのげば、引けにかけて戻りに転じる可能性も出てくる」(東洋証券・ディーリング部の児玉克彦氏)との声もあったが、「後場寄りに売りが出た段階で売りが途切れた格好となった」(準大手証券情報担当者)という。結局、日経平均は285円高で高値引けになった。

 ある中堅証券の幹部は「村上ファンドの一件がむしろ、これまで粘っていた個人投資家に引導を渡す形になった。感覚的にきょうの前場は、投げ売りが集中したと感じられる。コツンときた様子で、仮需の整理が進んだことから、目先的に相場の反発が読めるようになった」と指摘していた。

 (06/06/02 16:10)  





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