THE EPOCH TIMES
日中関係

成田空港騒ぎ、北京「火消し」に躍起 ちらつく日本懐柔策

2018年02月01日 16時24分

毎度、愛国主義(ナショナリズム)の旗を高く掲げ続ける中国メディアだが、今回の対応は異例だ。中国人訪日客側の擁護をしないのみならず、攻撃の矛先を彼らの態度に向けた。反日感情に拍車がかかっている一部のネットユーザの驚きは怒りに転じ、「(共産党に)普段から煽動されていなければ、国歌なんか歌うはずがない」と、翻弄されることに不満を並べた。

「(国営メディアは)愛国主義、反アメリカ、反日本、反韓国、反インド、反ベトナム、反フィリピン、反台湾、反香港、反チベット等々。周りは敵だらけだって。共産党が絶え間なく煽動しなければ、中国人は今日のように怒りっぽくならないぞ」「(皮肉を込めて)この政府にしてこの国民あり」「積み重ねられた共産党思想が注がれた結果、歪んだ愛国感情が被害妄想っぽくなった」「煽られるなかで生きているから、理性が働かない」などの意見がネットに相次ぎ書き込まれた。

中国当局の素早い異例の鎮静化対応は、日中外相会談を目前に控え、騒動の収束に動いた可能性もある。1月下旬、訪中した河野外相と王毅外交部長は会談し、両国の関係改善で一致した。

あるネットユーザは投稿で「(共産党当局は)必要なときに(国民を)騙しまくる。必要ないときは思い切って捨てる。国民を駒として扱う政府ってなんだろう? 今は日本と仲良くなりたいみたいね」と指摘した。

反日宣伝で異例の方向転換 そのわけは?

日中両国は過去数年、靖国神社の参拝や慰安婦問題、尖閣諸島(中国名:釣魚島)、東シナ海などで双方の国民感情が揺さぶられる事案は耐えない。しかし、今回の異例の鎮静化対応は、2016年12月に起きた北海道の新千歳空港でのトラブルでは取られなかった。当時、大雪による欠航に中国人乗客約100人が抗議し、騒動が起きた。

北京政府は成田空港騒動の後、直ちに外交部と宣伝部と協調をとり、高まる反日世論を鎮めた。これは、当局が対日関係を重視することを示すのみならず、中国では反日宣伝が単なる世論の範疇を超え、水面下で何らかの支配によって動かされていることを物語っている。

中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」がこのほど、パキスタンやネパールなど隣国との間で結ばれた大型水力発電プロジェクトが相次いで取り消され、困難な局面を迎えていると伝えられている。

そんな中、日本政府は北朝鮮問題の解決に向けて中国側の協力を求めることと引き換えに、「一帯一路」に協力することを約束し、両国関係の改善に積極的な姿勢を示した。北京は現在、明らかに日本をうまく丸め込もうとしているところにある。

王毅外交部長は28日、北京で行った日中外相会談で、河野太郎外務大臣に「日本政府が両国関係を改善したいという強い願望」に肯定的な見方を示し、同時に「緩めず、後退せず、口頭での態度表明は、着実な実行に移すように」と促した。

こうした状況下、両国関係を壊すのは習近平政権に混乱を与えることにほかならない。大臣訪中の間に、メディアが反日を煽り中国人の民族感情を高揚させれば、両国関係に再び亀裂が入り、北京政府は国際社会での孤立感が深まることになる。

反日キャンペーンは江派お馴染みの手法 権力闘争を反映

関連キーワード
^