THE EPOCH TIMES

バチカン、中国任命司教を認定 国交再樹立向け妥協か

2018年02月10日 12時38分

 このほど中国当局が任命した司教を、バチカンが認定すると報じられた。バチカン側の公式発表はまだない。専門家は、事実であれば、バチカンが実質上、宗教信仰を認めない中国当局に妥協したとみており、「悪魔との取引だ」と手厳しく批判した。

 カトリック系メディア「アジア・ニュース」英語電子版(1月22日)によると、中国広東省汕頭市教区司教の荘建堅氏(88)は昨年10月、バチカンから2回も退任を求められた。同年末に、当局は荘司教を北京まで連行、当局が設立した「愛国教会」のトップと宗教当局幹部との面談を強要した。バチカンの関係者も同席していたという。当局とバチカンの関係者は、荘司教に対して、司教の職位を、当局が公認の司教・黄炳章氏に譲るよう迫った。黄氏は、全国人民代表大会(国会相当)の代表も務めている。

 また、福建省閩東教区司教の郭希錦氏は、当局の「愛国教会」への加入を拒否したため、昨年のイースター以降1カ月拘束された。拘束中、当局は郭氏に対して、司教職位を当局が任命した詹思禄氏に渡すよう、関連書類に署名を求められたという。郭氏はその後、司教助手に降格された。

 中国時事評論家の李善鑒氏は、バチカンが2つの理由から、中国当局任命の司教を認可したと分析する。「1つ目は、バチカンは中国当局との国交を正常化しようとしているからだ。2つ目は、中国当局の支持があれば、中国国内の信者数が増加するだろうとバチカンが期待している」と話した。

 バチカンは1951年に中国共産党政権と国交断絶した。またこれまでバチカンは、中国当局任命の聖職者が違法であるとの認識をしてきた。現ローマ教皇フランシスコが2013年就任以降、バチカンは中国当局に対して融和ムードを見せ始めた。

 李氏は、バチカンが中国当局に譲歩したことが事実であれば、宗教の存在意義に反した行為だと批判した。

「中国共産党政権は、宗教自体を敵視している。人々の信仰を壊滅させることが、当局の最終的な目的だ。カトリック司教の任命や、当局の言いなりになっている宗教を認めること自体が、徐々に宗教の真義を改ざんし宗教を消滅させる一環だ」

 また、李氏は「無神論を唱える共産党への譲歩は悪魔との取引だ」とバチカンの対応を切り捨てた。

 一方、在米中国人ジャーナリストの胡平氏は、バチカンの対中への融和姿勢は「バチカンの権威と信仰の純潔さを汚したと同時に、中国共産党を助長した」と指摘した。

「中国当局は従来、欧米諸国を利益で籠絡してきた。バチカンにも同様なことを続けている。現在中国当局が各国に強い影響力を発揮しているのは、今まで国際社会の対共産党の宥和政策と関係している。国際社会は反省しなければならない」と胡氏は話した。

 米紙・ウォールストリート・ジャーナル(2日)によると、バチカンは中国当局が独自に任命した計7人の司教を認定したという。

「愛国教会」と「地下教会」

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