THE EPOCH TIMES

中国、保険大手・安邦を公的管理 「紅いファミリー」への締め付けか

2018年03月01日 14時05分

 呉氏は鄧小平一族との関係が、安邦の急成長の主因だとされている。しかし、英BBC放送中国語電子版(2月23日付)は、呉小暉氏は鄧小平氏の孫娘、鄧卓芮氏と、昨年6月当局に連行される前後に離婚したと報道した。一部の報道では、鄧氏は保有する安邦集団の株式を他人に譲渡したという。

 周暁輝氏は、鄧卓芮氏が呉氏と安邦集団と関わりを持ちたくない意図が明らかだと指摘した。実は、呉氏の最大の後ろ盾は江沢民一族とその側近で、呉氏は江派高官らの金庫番とみられている。前述の上海汽車集団とシノペックが04~05年、まだ無名だった安邦集団に対して大規模な業務提携と出資を行った。

 上海汽車集団は、江沢民氏の息子、江綿恒氏が1994年に設立した投資会社「上海聯和投資有限公司」(国有独資企業)の主要投資先企業の1つだった。同社は、安邦集団の発起人株主と筆頭株主だった。

 シノペックは05年に、安邦に約3億4000元規模を出資した。当時のトップである陳同海氏(09年汚職で失脚)は、江沢民派中心人物の曽慶紅の元部下で、石油業を牛耳る「江派石油幇」の重要メンバーだった。

 江沢民派の一員とみられる保監会元トップの項俊波氏(昨年失脚)も、07年以降安邦の国内外の企業買収案がスムーズに進むよう、『保険資産管理公司管理暫定規定』など内容一部を改正し、規制緩和を行った。

 一方、中国当局の発表によると、上海市検察当局は、同市第一中級法院(地裁)に対して、経済犯罪の疑いで呉小暉氏を起訴した。今後、呉氏への公判は、特別な事情がなければ、江沢民ファミリーの縄張りである上海市で行われる。

 時事評論員の陳思敏氏は、習陣営が江一族を強くけん制する目的があるとの見解を示した。

 また、習近平当局が3月3日と5日開催予定の両会(全国政治協商会議と全国人民代表大会)の1週間前に、呉氏への起訴を公表した狙いは、江一族をはじめとする中国共産党元高級幹部の子弟や親族から構成する紅いファミリーを警告する意味合いが強い、と陳氏は分析した。

 歴史学者の章立凡氏は香港メディア「明報」に対して、呉小暉氏は江一族を含む複数の紅いファミリーの金庫番であるとの見方を示した。呉氏の転落によって、紅いファミリーの財路が閉ざされたことを意味するという。

 米国に亡命中の中国人富豪、郭文貴氏は2月14日、「江一族が横領した国家資産が5000億ドル(約53兆5000億円)に達する」と、ソーシャルメディアに動画を投稿し暴露した。

 香港メディア「香港01」は、習近平当局の反腐敗対象が、現在党内の高級官僚や下級官僚から、今後党元老・高級幹部らの親族にまで拡大する可能性を示していると分析した。また、「香港01」は、「紅二代」「紅三代」と呼ばれる高級幹部らの子弟が企業経営・投資を通じて保有する資産規模は、中国経済の大半に匹敵すると指摘した。

(翻訳編集・張哲)

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