何清漣:中国社会の十大階層区分は本質のすり替え

2005年11月28日 11時00分
 【大紀元日本11月28日】中国社会科学院は2001年、『当代中国社会階層研究』を発表し、中国社会は「十大階層(玉ねぎ型構造とも称する)」であることを提起した。しかし、こうした社会構造の区分けは、中国に現存する社会矛盾を隠蔽するものであると、一部の学者から批判されている。社会経済学者・何清漣氏もまた同様の見解を持っており、中国社会科学院による社会構造の区分けは階層区分の概念を職業の概念にすり替えており、階層区分に際しては、主として、経済的収入、職業的名声、社会的地位の3つの基準に照らして行うべきであると主張した。

 本稿は、中共社会科学院が主張する「中国社会における十大階層(玉ねぎ型構造)」に対する何清漣氏の見解を取材していく。

 政府による階層区分

 2003年に何氏が発表した『現在の中国社会における社会構造の変遷に関する総体的分析』について、中国大陸の読者は、同氏の前作「中国現代化の落とし穴」の「姉妹編」と考えている。『総体的分析』は、改革開放後の大陸におけるここ20年余りの期間において、利益を得たのは誰か、彼ら利得者が中国社会人口で占める割合、社会階層を区分する方法、及びこれらの階層の現状について鋭い分析を行い、大陸で強烈な社会的反響を巻き起こした。この本の影響の大きさに中共政府は激怒し、北京当局は何清漣氏を常時監視することとなった。何清漣氏はその後、やむを得ず大陸を脱出した。

 以下は、何清漣のインタビューである。

 大紀元:中共社会科学院は7月、中共成都市党委と合同で 「和諧社会成都フォーラム」 を開催し、改めて「玉ねぎ型社会構造」を提起した。それによると、現在の社会構造は、中下層が肥大しており、中高層は大きくなっているがそれほどでもなく、最高層及び最下層が比較的小さい「玉ねぎ型」である。これは、あなたが2000年に発表した「中国社会はピラミッド型である」という分析と異なるが、この点についてどのようにお考えか?

 何清漣:2001年に中国社会科学院は、中国の社会階層について研究を行った。これは、職業を分析の基準として、階層を次の10個に分けたものである:1.国家及び社会の管理者 2.経営管理者 3.産業労働者 4.農業労働者 5.民間企業主 6.専門技術人員 7.事務処理者 8.個人事業者 9.商業サービス人員 10.都市の無職、失業及び半失業。 私は当時、この分析は正しくないと述べた。例えば、これは公務員をひとつのカテゴリーにまとめているが、この区分け自体に問題がある。公務員の最小の単位は科員であり、最大のものは国家主席である。またその中間には省長、省委、市長、市委員会書記、県委員会書記等々が存在する。科員の収入は総体的に低く、彼らの科長を含め、市一級の代表者、省一級の代表者は皆彼らと同等ではなく、掌握している権力及び資源にも大きな違いがある。したがって、こうした職業による階層区分には意義がなく、真に、個人が属する社会階層を定めることはできない。

 何清漣氏は、階層区分に際しては、主として、経済的収入、職業的名声、社会的地位の3つの基準に照らして行うべきであるとの見解を示した。

 何清漣:更に、教師という職業でも、小学校の教師、大学の教師が存在するが、彼らの社会的地位は同等ではない。大学教師においてさえ、年収十数万元の教授もいれば、一般の講師もいる。こうした人たちの社会的地位や社会的名声は一様ではない。中国社会科学院によるこうした社会階層の区分に意義はない。それは、社会学における階層区分の概念をすり替えたもので、我々は、これが誤ったものであることを明確に認識すべきである。

(記者・林和順、鹿青霜)


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