表現力豊かな楽器<琵琶>

2006年06月19日 20時28分
 【大紀元日本6月19日】琵琶は、弓ではなく爪やバチで弦をはじく撥弦楽器(はつげんがっき)の一種である。古代、撥弦楽器を演奏するとき、数本の弦を内側から外へ向けて奏でる音を「琵」と言い、外から内へ向けて奏でる音を「琶」といったことから、撥弦楽器は「琵琶」と称されるようになったと言われる。つまり、古代「琵琶」と呼ばれた楽器は、現代私たちが「琵琶」と呼んでいるものだけでなく、月琴、四弦、三弦など全ての撥弦楽器のことを指していたのである。

 中国楽器は、それぞれに独特の音色を持っており、明るく躍動感のある感覚を表し、憂い悲しみ、叙情的な曲風を奏でることができるが、幾種類もの曲風をきめ細かく調和を以って表現できる楽器は多くない。現代の琵琶は、音域と音量を広げることによって、音色がいっそう明るく澄み、表現力がいっそう高まった。琵琶が中国楽器の中でも表現力の最も豊かな楽器だと言われるゆえんである。

 琵琶は、和音を奏でることができ、他の楽器と組み合わせなくても主旋律と伴奏の響きを出すことができる。そのため、水のように柔らかく、女性のしとやかでやさしい感じを奏でることができるかと思えば、力強さと緊張感を内に秘めた曲調を表現することもできる。勇ましく激昂し、リズミカルで力強い表現は、あたかも軍隊が面前にいるかのような感覚である。このように、琵琶の表現力は豊かで、聴く人に超越的な神秘感をも与えるのである。

 しかし、琵琶の演奏を学ぶとなると、他の楽器ほど容易ではない。開始当初はまず指の痛さに耐えなければならない。現代の琵琶の弦は金属線でできているため、習い始めた当初は、左手の指に激痛を感ずるはずである。その痛みは、しばらく練習を続け、指にたこができるまで続く。琵琶は、楽曲を弾く練習ができるようになるための基礎訓練に随分長い時間がかかるため、多くの人は通常途中で挫折してしまい、「鑑賞するだけ」になってしまう。ただ、根気よく練習を続け、楽曲の趣と風格を奏でることができるようになれば、きっと大きな達成感を感ずることだろう。

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