北京五輪「聖火リレー」に物申す

2007/05/01 11:29
 【大紀元日本5月1日】五輪聖火が、エベレストを越えて北京の会場までリレーされ届けられる予定だ。オリンピック発祥の地であるギリシャを来年3月25日に発ち、約四ヶ月かけて5大陸20都市を経由し、2008年8月8日の北京での開催式典に到着する予定だという。聖火リレーに使用される五輪トーチは風雨に強く、実物は約72センチで、一見すると中国の巻き物のようだ。

 北京に運ばれる聖火は、ギリシャのオリンピアで08年3月25日に採火され、同31日に5大陸リレーへと出発する。ロシアのサンクトペテルブルク、ロンドン、パリ、北米のサンフランシスコ、南米のブエノスアイレス、タンザニアのダルエスサラームなど5大陸を回る。豪キャンベラから長野を通過し、ソウルから北朝鮮の平壌へ向かう。台北へはベトナムのホーチミンから入り、香港へ出る。

 ルートの一部になっている台湾では、「中国台北」として香港に経由することから、「一つの中国」を意識する北京五輪当局に対して地元の反発が根強く、聖火リレーの直前に大統領選も控えているので難しい状況だ。また、1950年に中共軍から侵攻を受けたチベットは、長年の同化政策による反発や、「西蔵チベット鉄道」の開通も手伝って、抗議行動発生の可能性が大きい。

 北京の五輪当局責任者は、「五輪史上、もっとも長く広い面積をカバーした聖火リレーだ」と誇っているが、台湾の五輪関係者は、ベトナムのホーチミンから台北を経由して大陸の香港に渡す経路を受けて、「どうしてマカオや香港の次に、台湾に聖火リレーがやってこないのか?」と従来からの主張である第三国から経由して第三国に渡したい意向が強く困惑気味だ。台湾五輪当局は、「これは中国の国内事情を反映したものだ。台湾の国際的地位を下げようとする意図がある。台湾国民は承知しないだろう」と憤懣している。

 北京五輪の聖火リレーは、全長で13万7,000㎞、ハイライトはチベットとネパールの国境に続く、「5月のエベレスト越え」だ。しかし1950年のチベット侵攻以来、ダライラマ法王はインドに亡命中であり、「トーチ越え」には地元の反発が相当にあるだろう。先日、米国の人権活動家4人が、エベレストでチベット民族の自治権を訴える横断幕を広げて、中共公安に逮捕されたばかりだ。

 さらに中国国内のルートを見てみると、南部江西省の井岡山や瑞金など共産党の「武勇伝ゆかりの地」が含まれており、五輪の聖火リレーを利用して党のイメージアップを図り、国内の政治基盤を安定させたい意向は明白だ。ちなみに井岡山は、初代総書記であった毛沢東が1927年に農民部隊を率いて革命の礎を築いたいわば伝説の土地だ。

 北京五輪の聖火リレー経路には、この外にも中国の朋友である北朝鮮を経由するなどの問題もあり、半島の核問題と拉致問題が解決しなければ日本からも横槍が入る可能性もある。西側先進国では、すでにフランスの女性大統領候補がスーダン問題で北京五輪に異を唱え始めており、いずれにしても北京当局が国内の人権状況など西側の自由民度に匹敵して、どれだけ水準を上げられるかが、周辺諸国を始め西側に了解を得られる「開催の鍵」となるだろう。

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