THE EPOCH TIMES

17の人格を持つ女性

2008年04月20日 00時00分
 【大紀元日本4月20日】多重人格分裂症(Multiple Personality Disorder)で苦しむ患者のケースは、世界中で報告されているが、米国人女性カレン・オーバヒル(Karen Overhill)さんは、17の人格を持ち、最終的に全員を「統合」することに成功したという。英紙「デイリー・メール」電子版が9日伝えた。

 カレンさんの症状は、他の多重人格症の患者と同じく、記憶喪失を繰り返すことが多かったという。例えば、夫とその友人らと共に、カジノへ行ったとき、気分が悪くなって一人でホテルの部屋で寝ていたはずが、気が付くと2,500ドルもの大金とともにまたカジノの別の場所に戻っていたという。彼女は、どうやってその大金を得たのか、夫が彼女を見つけるまで何をしていたのか、思い出すことができなかったという。また、食品を買いに外へ出たはずが、気が付くとなぜか息子の帽子を買うためにデパートの中にいたこともある。ある時は、読みかけの本のしおりが知らぬ間に動いていることに気がついた。枕の下にナイフが置いてあったこともある。なぜ置いたのかは、自分でも分からない。自分がいつ結婚したのかもよく分からないし、6歳から10歳の間の記憶が全くなかった。

 2番目の子供が生まれてから症状がひどくなったカレンさんは、精神科医のリチャード・バエヤー(Richard Baer)氏を訪れた。バエヤー氏は、カレンさんが多重人格分裂症を患っていることを突き止め、17の人格がカレンさんの中にいることを明らかにした。その中には、10歳に満たない4人の子供と、2人のティーン・エイジャー、21歳の女性、34歳になる男性と女性、そしていつも激しく怒っている男性などがいた。彼らは、それぞれ別の人格を有し、名前と年齢、それぞれが持つ記憶も全く違っていた。

 多重人格分裂症は、幼いときに激しい性的虐待を受けた人が罹りやすいといわれている。子供が度重なる精神的、肉体的ダメージを受けると、時として自分の中に別の人格を作り出し、その人格が痛みを受け持ったりする。従って、虐待を受けているときは、別の人格が主意識となり、本当の人格が眠った状態になるのだ。そして、カレンさんも幼いときに身内から性的虐待を受けていたことが、催眠療法により判明した。例えば、ジェンソンという11歳の少年は、1971年、カレンさんが12歳で祖母の兄弟にレイプされたときに生まれた人格の一人だった。また、ジュリーという15歳の女の子は、カレンさんが祖父によって性的虐待を受けていたときに生まれた人格だった。

 その後、カレンさんの人格の一人で、すべての人格を保護しているホルドンという34歳の男性が、バエヤー氏にカレンさんの治療方法を提案した。つまり、人格を一人一人、カレンさんに統合させていこうとするものだった。ホルドンの方法に同意したバエヤー氏は、まずジュリーをカレンさんと統合することにした。催眠状態のカレンさんは、安全な場所を頭の中でビジュアル化し、そこでジュリーと会った。ジュリーが、カレンさんの身体に入り、バエヤー氏の助けのもと、カレンさんが、ジュリーの考え、記憶、性格などを吸収した。この方法は簡単だったが、とても心理的に苦しい時期を過ごさなければならなかった。なぜなら、突然ジュリーだけが持っていた記憶がカレンさんの頭の中に流れ込み、それはいずれもつらい体験ばかりだったからだ。

 カレンさんは、少しづつ、一人一人の人格を統合し、今ではセラピーに通う必要がないほど普通の状態を保っているという。昔のように毎日、何時間も記憶喪失になることはなくなった。カレンさんは、今回の経験で、もし子供が激しい虐待を受けると、逃げ場のない子供たちは、カレンさんのようにもっとも安全な場所を自分自身の中に造ってしまうのだろうと分析している。

(翻訳/編集・田中)

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