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著名な経済学者で、「当代中国研究」編集長の程暁農氏(大紀元)

程暁農:2008年は中国経済全面崩壊の始まり

 【大紀元日本4月12日】中国株式市場は、昨年10月の6000ポイントから大幅に下落し、既に心理予想の関門である3500ポイントを突破し、下げ止まる兆候は見えてない。また、市場で噂される救済策は皆失敗に終わっている。株式市場の悲惨な下げ幅と投資家の悲痛な叫びに直面し、中共政府及び関係メディアはいずれも沈黙を保っている。“股市有風険、入市需謹慎(株式市場にはリスクがあるので、市場に参加するのは慎重に、の意)”の十文字を除き、投資家の真実の生活実態や、株式投資によって家計が破産したニュースを敢えて報じる国内メディアは存在しない。

 著名な経済学者で、「当代中国研究」編集長である程暁農氏は、大紀元の取材に対し、株式市場の崩壊は、中共政権が操作してきた経済が下り坂となったことを示す顕著な兆候であると述べた。物価の上昇、株式市場、住宅市場の低迷、外資の撤退などの一連の経済問題から、今年は、中国経済の低迷が続き、全面崩壊の始まりが予想され、さらに、中国経済の崩壊は、中共政権の崩壊の前兆であるという。

 程氏の指摘によると、中共政権の違法性及びこれが引き起こした民衆の怒りは、主に、経済上のパフォーマンスによって隠蔽されてきた。現在、経済成長の幻想は、明らかに消滅しつつあり、政権もまた崩壊寸前である。中共は政権のリスクを認識しており、このために、オリンピックが始まっていない現時点において、政治統制の厳格さが、既に空前のレベルに達している。こうした対応は、異見者、抗議団体に対してのみならず、経済が引き起こす民衆の怒りを含む、社会的動揺をもたらすあらゆる要因に対処するためのものである。

 彼は次のように語っている:“中共は、オリンピックを、政権の合法性、政権の成功を堅く顕現する一つの象徴と見なしています。かりに、この問題で試練に直面すれば、雪崩効果が誘発されます。”

 株式市場の下落 回復の見込みなし

 2005年から2007年10月にかけて、中国株式市場の重要な指標である上海証券取引所の指数が、800ポイント余りから、5100ポイント余りに上昇した。しかし、2007年10月から今年3月末にかけて、再び3400ポイントに下落した。多くの株主の持ち株市場価値は、数分の1、ひいては十数分の1に縮小した。今回の影響を受けた投資家は零細投資家のみならず、多くの機関投資家にも波及している。

 程暁農氏は「株式市場は既に崩壊しており、今後も低迷が続きます。そして、不振になることはあっても、再び回復することはないでしょう」と話す。

 程氏によると、先週、株式市場は3000ポイント余りにまで下落したが、その際、国内サイトの一部で、真実を語る人がこの問題に触れ、いずれも、市場は再び下落すると見ていた。長期投資を行う投資家の間では、かつて、3500ポイントが底で、この時に買い入れて回復を待てば儲かる、と言われていた。しかし、現在は、「意外なことに、一階まで落ちると、その下には地下室があり、その地下室の底には穴蔵があり、穴蔵の底には地獄があった。そして、地獄は、24層構造になっていた」と言われている。つまり、株式市場に底はない、ということである。株式市場にバブルが発生していたのは、非常に明白なことである。株式市場の指数が6000ポイントに達した時、バブルが3分の2以上を占めており、相当多くの投資家が既に絶望している。

 「現在、富裕な投資家が相場を支える一方で、零細投資家は皆、これに盲目的に追随しています。真相が不断に明らかにされ、零細投資家が次第に、この悲観的な局面の直視するようになった時、その多くが、痛みを忍んで手持ちの株式を投げ売りせざるを得なくなります。この段階に達した時、零細投資家の資金の大部分が飲み込まれ、株式市場のバブルは、必然的に完全に破裂します」。

 株式市場低迷の根本的な原因について、程氏によると、中国の株式市場は正常な市場ではなく、先天的な不正の温床があるという。情報の封鎖、権力、大型資本と中小投資家の情報の非対称性、インサイダー取引、大株主による資金の占有等の問題は、いずれも、単純な経済問題ではなく、中国の政治、法治等の様々な側面に及ぶものである。これらの問題は、現在の中国において解決がなされておらず、必然的な結果として、株式市場の問題が解決されていない。

 当局の沈黙

 中共政府及びメディアの沈黙について、程氏の指摘によると、株式市場の低迷は、経済が少しでも分かる人にとっての共通認識となっている。しかし、利害関係により、多くの人が真実を語ろうとしないという。

 程氏は次のように語る、「中共当局及び証券業界の利益集団は、中国株式市場が一定の水準で安定してくれることを希望しています。このため、株式市場が繁栄しているというイメージを作り続けているのです。例えば、‘オリンピック市場’は彼らの作った言葉ですが、言外の意味は、オリンピックの勝利のために、政府は如何なる代価も惜しまず、市場を維持するということです。この見方は、国内証券業界のメディアにおいて、主導的な地位を占めています。証券業界のメディアは、証券でご飯を食べているため、株式市場の動向に不利な情報を発表することができないのは当然のことです。他の政府メディアも、オリンピックを間近に控えて中共政権が一連の圧力、試練に直面する中で、密令を受け、世論を厳格に統制しなければなりません。このため、国内メディアは皆、株式市場に関する悪いニュースを扱おうとしないのです」。

 程氏は、「中国の株式市場が上昇し続けると信じ、盲目的に資金を投じた人々は、確実に騙されたのです。彼らは、上場会社のみならず、株式市場を煽ったエコノミストにも騙されたのです。株式市場を煽り立てた全ての人々は、このことについて責任を取るべきです」と、投資家に慎重な対応を求めた。

 市場で噂される当局の市場救済策について、程氏は次のように指摘する、「政府は現在、株式市場を下落するに任せており、既になす術がなくなっています。現在、銀行が抱えるリスクが更に大きくなっています。政府が売り抜けを図る場合、株価上昇の潜在力を持つ企業を新たに上場させる必要がありますが、このやり方は諸刃の剣です。第一に、こうした企業は見つかりません。中石油、中石化といった独占企業の株価は、現在底値まで下落しています。また、いわゆる大型国有企業の株式を上場させても、おそらく市場において希薄化が進み、更なる相場の下落をもたらします。また、皆が、新たな政府による資金の囲い込みであると考え、株式市場は更に下落します。政府は、本当になす術がないのです」。

 また、「ある投資家は、政府の最関心事項は株式市場だと思っていましたが、実際のところは、株式市場ではなく、インフレでした。なぜなら、インフレは、ほぼ全ての家計、特に中国の人口の70-80%を占める低収入の家計に直接の影響を与えます。これらの人々は、中国政府に対する最大の試練を形成します。中国政府は、株式市場にはリスクがあると語っていますが、言外の意味は、損をすれば 『ざま見ろ』 、ということです。中共当局が、民衆の衣食住の問題、投資家の被害の問題を実際に解決することは不可能です」と厳しく指摘した。

 2008年は中国経済の全面崩壊の始まり

 株式市場の下落と同時に、中国の住宅市場もまた、現在大幅に下落している。業者が割引で販売を促進しようとしても、市場が回復する兆候は見られない。

 これについて、程氏は、住宅市場も、まもなく崩壊するとみている。中国で、これまで住宅市場の堅固ぶりを煽ってきたいわゆる専門家でさえ、「今後の100日間は、中国不動産会社が非常に緊迫する100日間となる。その言外の意味は、多くの会社がこの100日を持ち堪えることができず、結果として損失を出し、建てた家が売れなくなる。一旦損失を出せば、多くの物件を叩き売りするほかなく、住宅価格は、更に暴落する」と予言している。

 程氏は、「住宅価格が暴落する結果として、不動産バブルも破裂します。同時に、不動産会社の破産は、銀行の不良債権の急激な上昇をも意味し、必然的に、銀行システムにおける金融危機をもたらします」とし、「住宅市場の下落が中国経済に与える衝撃は非常に大きく、不動産市場と関係のある一連の企業にも急速な低迷をもたらします。中国の多くの製造業の利潤は、2つのルートで構成されています。1つが、本業である製造業からのルート、もう1つが、株式市場、不動産における投機からのルートです。この2つのルートが断たれれば、上場会社の業績は更にひどくなります」と警告する。

 程暁農氏は、また、「今年は、中国経済の低迷が継続し、全面崩壊が起こる始まりです」と予測する。「中共にとって最大の頭痛の種は、インフレの問題です。しかし、インフレを抑制するための措置は、企業活動の抑制、利率の上昇をもたらし、企業経営を困難にします。また、外資企業の相次ぐ撤退は、輸出に影響を与えます。人民元の切り上げと国内のインフレによる2重の圧力は、輸出を更に萎縮させます。不動産市場は、中国の鋼材、建材、室内装飾材などを含む上流企業を支えており、中国で最も繁栄している産業は、全て不動産市場による牽引に依存しているのです。不動産市場が一旦崩壊すれば、上流にあるこうした産業が相次いで収縮し、今後は一種の不況の状態に置かれるでしょうし、更に言えば、再び復活することはないでしょう」と指摘した。

 中国の民衆は、表面上、中国の経済危機を感じているのだろうか。程暁農氏によると、経済危機における危機感は漸進的なものであり、既に、中国の各階層に拡散しつつあるという。「一般の民衆や労働階層、特に低賃金の階層は、既に、経済困難による圧力を感じています。多くの人は、肉の消費を抑えて生活を支えていますが、この状況を持続するのは困難です。長期間肉を食べなければ、身体が耐えられません。また、物価上昇の影響は、現在、広州のホワイトカラー層に影響を与えています。彼らは、以前は外で弁当を買って食べることが習慣となっていましたが、現在は圧力を感じており、弁当を買うことができず、家からご飯を持ち出して食べています」。

 中国経済の崩壊は中共政権崩壊の前兆

 程暁農の指摘によると、株式市場の崩壊は、中共政権が操作してきた経済が低迷の途をたどっていることの明白な兆候であり、中国経済の低迷は、中共政権の地盤沈下の証左であり、中国経済の崩壊は、中共政権崩壊の前兆であるという。

 また、中共自身も自らの政権の違法性や民衆の怒りを認識しており、かつ、これらが主に経済上のパフォーマンスによって隠蔽されてきたことも認識している。いま、経済成長の幻想が明らかに消滅しつつある中で、この政権もまた、崩壊寸前であるという。

 株式市場の暴落によって起こり得る社会の動揺について、程暁農氏は次のように警告する、「投資家は、今のところ大規模な抗議は行っていません。その理由は、力の矛先が見つからないこと、また、中共統治下で、機を見てうまく立ち回ることを身につけていることです。これによって、経済問題が引き起こす社会不満の発生が緩慢化しており、その影響は、慢性薬の効果と同様に、ゆっくりと顕在化していきます。経済の低迷は、漸進的に、少しずつ、少しずつ発生していきます。この問題について、民衆は、最初は、不満を持ちながら我慢をします。そして、いくら我慢しても局面が同じであると感じた時、完全に失望し、不満感情が更に集積します。そして、影響の波及する先が広がり、民衆の利益との関係が強まるにつれ、不満を持ち続けていた民衆の怨嗟の声が到る所で噴出します。加えて、様々な社会矛盾が激化することで、社会矛盾と危機の大爆発が促発されていきます」。

 程氏によると、中共は政権のリスクを認識しており、オリンピックがまだ始まっていない現在において、中共は既に草木皆兵(疑心暗鬼の意)になっている。政治統制は、既に空前のレベルの厳格さに達しており、弦はますます張りつめている。中共宣伝部、国務院、中共中央は、各級政府に対し、メディアにおいてマイナスの情報について議論し、流すことを認めないよう下達している。また、海外メディアの中国における活動を厳格に統制するよう求めている。民衆は、ご飯を食べながら息をつく以外に自由はない。また、こうした高圧的な統制は異見者、抗議団体に対してのみならず、社会の動揺を引き起こしうる、経済を含むあらゆる要素に対してのものであるという。

 その原因について、程氏は、「中共は、オリンピックを、政権の合法性、政権の成功を堅く顕現させる一つの象徴と見なしています。かりに、この問題で試練に直面すれば、雪崩効果が誘発されます」と警告している。

 
(記者・辛菲)


 (08/04/12 09:59)  





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