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数人の外国人抗議者が横断幕を手に抗議していたところ警察に阻止され、現場から連れて行かれた。横断幕には中・英文で「法輪功、チベット、北朝鮮、ミャンマー、ダルフール、中国共産党が行った大虐殺に強く抗議する 人権を正視せよ」と書かれていた。写真は親中国共産党者(黒いサングラスの人物)が突然近づき、黄色のシャツを着た抗議者から横断幕を奪い取ろうとしている。向かって右端は私服警官(APF)

五輪トーチリレー数百人の「赤シャツ」、平和デモ女子学生を包囲=香港

 【大紀元日本5月4日】5月2日午前、北京五輪トーチが香港に到着した。多くの民間団体と個人が早くからリレースタート地点のチムサーチョイ(尖沙咀)の有利な位置で待機し、中国共産党によるチベット武力弾圧、五輪憲章違反、改善されるどころかますます悪劣になっていく中国における人権問題に対する抗議準備をしていた。これらの団体と個人は、中国大陸からやって来た赤シャツの普通話(北京語)を話す人々に包囲され、汚い言葉を浴びせられたうえ、突き飛ばされるなどの暴力もふるわれた。トーチリレーが始まる前、平和デモ抗議に参加していた女子学生が警察により地面に倒され、さらに担ぎ上げられ現場から連れ出された。この女子学生は警察の乱暴なやり方に対し、提訴も考えていると話した。

 今回の香港での北京五輪トーチリレーにおいて、香港政府はかつてないほど厳重な保安措置を採った。加えて、中共当局が発動した熱狂分子の配置や人海戦術の採用、請願及び抗議者を幾重にもリレールートから引き離した。しかし予想した通りにはいかず、リレー中は雨に降られ、北京五輪トーチの火は雨により2度消えてしまった。

 午前7時ごろ、記者はチムサーチョイ清真寺入口で香港大学哲学系を専攻する女子学生の陳巧文さんらが抗議の横断幕を取り付けている姿を目にした。陳さんは腰にチベット旗を巻いていた。彼女は、ネット仲間十数人を含む、彼女がネット上FACEBOOK(米国の学生が多く参加するソーシャル・ネットワーキング・サービス=SNS)で発起した抗議活動に共感し、自発的に参加しに来た人々と共に同6時半にはここに着いたと話した。彼らは自分たちで作ったチベット旗と横断幕などを持ってきており、中共によるチベット武力弾圧に対する抗議や、中国における人権改善などを要求していた。しかし4月20日、FACEBOOKは突然削除されたという。

 香港民主化運動の劉山青氏は、陳さん達の近くで抗議をしていた。劉氏は「香港市民支援愛国民主運動聯合会」(略称=支聯会)が発起した「オレンジ・オリンピック」活動に賛同し、オレンジのTシャツを着て「同じ世界、同じ人権」という中国における人権に対する希望と祈りを表現していた。

 前線立法会議員の劉慧卿氏とスタッフは、チムサーチョイにあるスターフェリーピア・オーシャンターミナルの「5つの旗ポール」付近で抗議していた。記者に対し劉氏は、抗議に来たのは中国共産党政権に対し、五輪招致時に人権改善を承諾したことの遵守、北京人権活動家の胡佳氏などを含む不法に拘束された政治犯の釈放、並びに人権尊重を希望するためであると話している。劉氏は今週、立法会に関連動議を提出したが、親中共派の反対で、否決された。

 香港支聯会は、九龍半島の突端のサリスバリーロードとペニンシュラホテル前にそれぞれ抗議ポイントを設け、中共による人権弾圧に抗議した。

 
ある市民は自作のスローガンを掲げていた。紙には「同胞たちよ、中国共産党の呪縛に驚き慌てる中、素直に従わず、慌て恐れずに立ち上がろう……中国共産党の呪縛統治から解放されよう」とある。(Andrew Wong/Getty Images)

リレールートに沿った道路の両側は赤シャツを着た北京五輪支持者で埋め尽くされ、その中の多くの人々は普通話を話していた。記者がその中の2人にインタビューをしたところ、彼らは朝早く珠海と深センからやって来たと話した。しかし記者が付近を見ると、観光バスが何台も停車しており、これらの普通話を話す人々を乗せて来たように見えたという。

 支聯会メンバーは「人権がんばれ」等のスローガンを叫んだ時、赤シャツの人々は歌を歌って妨害し、人権を呼びかけるスローガンに蓋をしようと企てていた。

 上記の「赤シャツ」達はただの言い争いだけであったが、一部の「赤シャツ」達はさらに熱狂的で暴力的に見えた。

 トーチリレーから間もなく10時半、柏麗広場にはますます「赤シャツ」 が集まって来ていた。香港大学哲学系専攻の女子学生、陳巧文さんは広場で数百人の「赤シャツ」に囲まれた。彼らは赤旗を振って騒ぎ立て、激昂し、歯をむき出しながら陳さんを罵った。陳さんはまるで「香港の王千源さん」のような状況に陥っていた。
香港大学哲学系専攻の女子学生、陳巧文さんは平和デモ抗議の際数百人の赤シャツに囲まれ攻撃されたうえ、警察に乱暴に担ぎ上げられ連れて行かれた。写真は抗議の準備中メディアのインタビューを受けているところ。(撮影:潘環橋/大紀元)
香港に来たある組織。簡体字のスローガンを広げている大陸の人々(撮影・呉璉宥/大紀元)


 *陳巧文さんを追い詰める「赤シャツ」

 赤シャツたちは陳さんらに体当たりしてきたため身動きが取れなくなった。ある者は陳さんらに身体をぶつけ続けたうえ、陳さんが持つチベット旗を奪おうとした。陳さんは非常に冷静に周囲の人々に向かい香港には言論の自由があり、自分はただ中国共産党が人権を踏みにじっていることに抗議しているのであってトーチを奪おうとしているのではない「我々はチベット独立を要求しているのではない、人権を要求しているのです」と訴えたが、これらの群衆が大声を出し続けたため彼女の声はかき消されてしまった。最終的に花壇の上に追い詰められた彼女はチベット旗をポールに結びつけて振り、チベット人権に対し注目するよう訴えた。陳さんと共に抗議に参加していた10人近くのネット友達は赤シャツの人垣の外に追いやられ、彼女を支援することは出来なかった。

 傍で警備に当たっていた警察がこの騒ぎに気づき、その場の状況が緊迫しつつあることを見て双方を引き離そうとした。また、五輪トーチが間もなくリレーされるという際、冷静に訴え続けていた陳さんは突然私服警官と称する黒い帽子をかぶった男に乱暴に押し倒されたうえ、数人の警官により担がれ、警察署に連れて行かれた。

 王さんは外部との連絡を絶って数時間後、夜7時半に大紀元の取材に応じ、警察の対処に「非常に失望した」と話している。彼女は、「我々は午前6時半から10時15分(現場での抗議活動)、トーチが来る15分前にその場から警察によって連れて行かれた。その前に彼らは我々に対し、ここにはたくさんの人がいるからあなたたちは何もできないとパトカーの中で話した。我々は“リレールートの傍まで行ってもらえますか”と尋ねたが彼らは出来る、しかし上司の指示が必要だといった。その後、それについての返事はもらえなかったが、車に乗らなければならないと言われた。私は、車には乗らない、私はここにいる権利があると答えた」という。

 *か弱い女性を乱暴に扱った警察

 小柄な陳さんはさらに、「我々はずっと平和的だった。あれら五星旗を持つ人たちは我々に体当たりし続けていたが、我々は絶対にやり返さなかった。にもかかわらず連れて行かれた。彼らは我々をオートバイの後ろに連れて行ったが、我々はチベット旗を掲げていた。彼らは多くの場所で全体の場面を抑制することができた。あれら五星旗を持つ人たちは入って来なかったし、入って来る方法がなかった。たとえあったとしても警察は対処する十分な力を持っている。でも、私がチベット旗を掲げ続けていたら、彼ら(警察)は私を地面に倒した。私は地面に跪き頭も地面に押し付けられた。その後、私は身を起こし再び「共産党による恐怖統治終結を望む」と書いた別の旗を掲げた。彼らはまた私の持つ旗を奪い、一人が私を車に乗せた。私の足はまだ地面についていたので、誰かが「脚を上げろ、脚を上げろ」と言ったが、別の人たちが「だめだ、記者に撮られるから」と言っていた。最終的に私の脚は地面に着いたまま、手は彼らに引っ張られ、すごい力でパトカーに押し込まれた」

 陳さん:「彼らは我々を殴りはしませんでしたが、すごい力でした」

 (質問:警官は女性、それとも男性でしたか?)

 陳さん:「何も見えませんでした。でも私を地面に倒したのは男性警察官でした」

 (質問:彼らはあなた方にトーチが来た時に抗議されたくないという意識があったと思いますか?)

 陳さん:「きっとそうです。なぜなら我々は4時間も待っていたにも関わらず、もうすぐやって来るという時に連れて行かれたのだから。私は政治性があると思います」

 陳さんは警察側の荒々しい対応について提訴も考慮していると話した。

 *「民主聖火リレー」阻止に遭う

 五輪トーチリレーが10時28分チムサーチョイからスタートした後、香港支聯会が発起した「民主聖火リレー」が人権獲得のための活動を開始した。しかし、その場にいた大勢の赤シャツに包囲され、彼ら(赤シャツ)は激昂し、挑発的な言葉でスローガンを叫び続け、「民主聖火リレー」を阻止しようとした。

 この赤シャツたちは「中国がんばれ」のスローガンを大声で叫び、支聯会副主席の李卓人氏が「中国人がんばれ」と叫ぶ双方のスローガン合戦となった。「民主聖火リレー」の開始前、支聯会はチムサーチョイの抗議現場において簡単な記者会見を行った。該会主席である司徒華氏は、中共が五輪招致時に人権改善を承諾したことの遵守を履行していないことを批判しており、また未だに中国の人権と言論の自由に少しの改善も見られない。このことから今、中共は人権状況の改善が求められていると話した。

 チムサーチョイでのトーチリレー抗議者の中に、現在72歳の呉さんというキリスト教徒がいた。彼は自作の白い抗議服を身に着け、手にはプラカードを持ち、中共にチベットに亡命している精神指導者ダライ・ラマとチベットで起きた事件についての対話を要求していた。多くの赤シャツが彼を取囲み、チベットを理解しているかという質問をしたうえ、彼の服を引き裂いた。しかし彼は少しも恐れることなく「他の人は口にすることが出来ない。だから私は立ち上がり自分の意見を伝えている』と話した。

 呉さんはさらに、先日チムサーチョイでの抗議に彼も参加したが、警察は緊迫し彼に対し多くの質問をしたという。またスコットランド出身のロビン・マクドナルドさんは香港に住み3年以上経つという。彼は香港の民主と中国の人権獲得を支持するためここに来たと話していた。彼は中共が五輪開催において多くの制限をして、人権が多くなるどころか少なくなったと批判している。

 五輪トーチリレーは全長25km、およそ8時間かけて終了した。当局はもともと120人のランナーを予定していたが、決定していた第41番走者の施懿庭さんは飛行機の遅れによりリレーを辞退したという。

 北京五輪トーチリレーは途中2度火が消え、最初は昼過ぎに64番走者の施幸余がドラゴンボートに乗り、着岸したがトーチをリレーするのには間に合わず消えた。2度目は午後4時40分、ゴールがもうすぐというところで雨も降っていないのに、突然117番走者である蔡暁慧さんの手の中で火が消えた。喧騒の中8,9分後やっと再点火した。
チムサーチョイのある住民が掛けた「胡佳を釈放せよ」と書かれた横断幕(APF)
国境なき記者団メンバーもやって来て、中共の人権侵略と多くのメディア関係者及び政 権に異議を唱える人々の拘束に抗議した。(撮影:潘璟橋/大紀元)
香港市民の呉さんはスローガンの書かれたTシャツを着ていたが、最後に親中共者たち に引き裂かれた(撮影:潘璟橋/大紀元)
(撮影:潘璟橋/大紀元)
民間人権戦線のデモ範囲。オートバイと警備員が遮り、赤シャツが近づけないようにし ている(撮影:潘璟橋/大紀元)
数名の横断幕を手にした外国人抗議者が警察に阻止され現場から連れて行かれていた。 横断幕には中・英文で「法輪功、チベット、北朝鮮、ミャンマー、ダルフール 中国共産党が行った大虐殺に強く抗議する 人権を正視せよ」と書かれている(APF)
(APF)
(APF)


 
(記者・李真/呉雪児/黄静栄/鄭麗駒、翻訳・坂本)


 (08/05/04 22:35)  





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