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インフル患者を救う新たな薬が誕生かも(Chernin/Getty Images)

高脂血症の治療薬で、インフル死亡率半減可能か=米研究

 【大紀元日本11月3日】血中脂肪を下げる薬「スタチン」を服用している人のインフルエンザによる死亡率が、服用していない人より5割低減されたという研究結果が29日、フィラデルフィアで開かれた米感染症学会(Infectious Diseases Society of America,IDSA)で発表された。

 この研究は、米ポートランドにあるオレゴン州立保健支部局のメレディス・バンダーミアー(Meredith Vandermeer)氏が率いる研究チームによるもの。この研究チームは2007年から08年にかけ、米10州の季節性インフルエンザ入院患者の2千800人を対象に調べた結果、入院中と1カ月以内で死亡した患者の中に、高脂血症治療薬のスタチンを服用していた801人のうち、17人(2・1%)に対し、服用していない1千999人のうち、64人(3・2%)だったことが分かった。

 さらにスタチンの使用者がほぼ高齢者であり、スタチンと抗ウイルス薬の併用によるマイナスな要因もあるから、これらの要因を考慮して推計した結果、スタチンを服用していた患者の死亡率が、そうでない人より半減したことが分かった。研究チームが「スタチンはインフルエンザによる死亡率の低下と関係がある」と指摘した。

 インフルエンザは、体の免疫機能を低下させ、他の合併症などが重なり症状が悪化することがあるが、スタチンには炎症を抑え、免疫抑制の効果があるので、重症化を抑制し、死亡率を低減させたと考えられている。

 今回の調査は季節性インフルエンザに関するものだが、新型インフルエンザについても、同じ仕組みで効果が期待されている。「我々の研究は、スタチンが新たなインフルエンザ治療薬としての可能性を示したが、治療効果を検証するためには、スタチンの種類や服用方法などについて、さらなる調査研究を行なう必要がある」とバンダーミアー氏は述べた。

 スタチンは遠藤章・東京農工大名誉教授が発見された、血中コレステロール値を低減させる薬物の総称である。現在、様々な商品名で、高脂血症や心筋梗塞などの予防治療薬として世界各国で使用されている。

(翻訳編集・心明)


 (09/11/03 05:00)  





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