「逆らう者は買春」 女性スキャンダルで腐敗告発者を追い落とすか

2015年04月06日 15時14分
【大紀元日本4月6日】一介の市民でありながら、公用車を私的に利用した幹部をたびたび告発し、「市長よりも有名」な広東省広州市の区少坤氏は3月26日、湖南省長沙市で買春の容疑で拘束され、5日間の行政拘留処分を受けた。同氏は「わなに嵌められた」と主張している。2年前にも政府に批判的な言論を繰り返したネット有名人・薛蛮子氏が買春の容疑で逮捕された。「買春」は当局が不都合な人物を追い落とす新たな罪名になりつつある。

 区氏は、先月24日から知り合いに誘われ湖南省を訪れていた。26日にも微博で、同省で発見した私的使用の疑いがある公用車を告発していた。同日夜、知り合いが引き合わせた初対面の社長と食事したあと、社長が用意したホテルの部屋で裸の女性と一緒にいたところを湖南省の警察当局に押さえられた。「女性は自ら裸になった」と区氏は容疑を否認している。社長は現在、所在不明で、区氏に渡した名刺に記載された会社は、当該人物はいないとしている。区氏を誘った知り合いも今、連絡が取れなくなっている。

 買春現場を押さえたあと、テレビで謝罪させるのは今、中国で定番の流れとなっている。薛氏のほか、買春で逮捕された有名俳優や監督は中央テレビに登場し、懺悔の言葉を口にしていた。その後メディアも毎日のように買春ばかりが強調される記事を掲載していた。

 これに警戒していたのか、区氏は拘留先で7社のメディアの取材を頑なに拒んだという。その後、警察当局からの「処罰決定書」がネットに流出し、住所などの個人情報だけでなく、買春の一部始終も詳細に書かれていた。テレビで懺悔することや決定書のネット公開はいずれも、性的スキャンダルで有名人の名誉を傷つける狙いがあるとみられる。

 この新手の「市中引き回し」に市民から「逆らう者は買春」と批判の声が上がっている。1200万人のフォロワを持ちネットで大きな影響力を持つ薛氏はその後、政府批判をしなくなった。

 2006年から公用車の私用問題に取り組み、「草の根の英雄」と目され、政府メディアも賞賛していた。しかし、同氏の告発で、地方政府の幹部の失脚が相次ぎ、「政府幹部の恨みを買ってしまった」との見方が出ている。

 社会学者の于建嵘氏はブログで、「買春の有無にかかわらず、市民の合法的な権利は守られるべきだ」と区氏を晒し者にした当局の手法を批判した。北京紙・京華時報も評論記事で、「個人の道徳の問題は公民としての権利に影響すべきではない」と区氏を擁護した。

(翻訳編集・江音)
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