広東省の集団暴力衝突、投資家ら懸念

2006/01/21 17:27
 【大紀元日本1月21日】中国の広東で先週末再び地域住民と警察とが衝突し流血騒ぎになった。絶えず発生する大規模な住民の抗議事件は、経済には具体的な影響を及ぼしていないものの、投資家たちは広東の投資環境の今後の安定について関心を寄せている。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」はこのほど、中国製造業の中核とも呼ばれる広東で、地域住民の抗議と暴力衝突が絶えず発生しているのは、投資家の不安を引き起こしていると発表した。

 * 台湾企業家は投資に与える影響を心配

 広東省中山市三角鎮でこのほど発生した大規模の民間人と警察との衝突により、13歳の女の子が死亡するなど再度国際メディアの関心を広く集めた。それ以前に、広東汕尾市東洲鎮で発生したもう一つの大規模なデモ活動は流血騒ぎを招いた。デモに参加した住民三人が警察に撃たれて死亡したと政府は発表したが、現地の村民の証言によると20人が殺され、60数人が負傷したという。広東番禺太石村の村民らは村民委員会に改選を求めたことにより、警察の大きな鎮圧を受けたという。

 広東省は20年前から中国の改革開放の足並みに合わせて最も早く経済開放に踏み出した省であり、香港に接近しているという地理的な優位な環境により大量の外資と外国商人を引きつけて工場を作った。他省と比べて広東省はとても発達し、繁栄した豊かな省の一つである。

 三角鎮から近いある工場主によれば、今はちょうど経済活動のピークであり、市民のデモは都市のイメージを損なうことになる。また、台湾の企業家は、広東省の省民が行っているデモと社会的騒乱が自社工場に衝撃をもたらしたとは感じていないが、彼はその可能性を心配していると述べた。この台湾のコンピューター・メーカー企業家は「もし、社会の秩序にかかわる問題が存在する場合、必ず私たちの投資にも影響をもたらすはずだ」と述べている。

 * 艾肯森:社会の不安定は投資リスクを高くする

 米国シンクタンクの貿易政策研究員ダニエル・艾肯森氏は、投資家として最も求めているのは投資が最高の報酬をもたらすことができる確定性であると記者に語った。

 彼は「投資家は確定性や法制および彼らの投資製品あるいはサービスが、後にできるだけ問題を起こさないことを望んでいる。もし、投資した地区の市民がデモを起こし、社会が不安定になれば、それは政府の政策に問題が多いという可能性の現われであり、そうなると私たちの投資のリスクは高くなる」と述べた。

 * 程暁農:経済発展した地区の腐敗はより深刻である

 中国政府の統計によると、中国は2004年において全部で7万4000件のデモ事件が発生し、政府はデモ参加者の死亡事件の多くは裕福な広東省に集中していると承認している。

 米国の程暁農博士(現代中国センター副理事を担当)は、中国では経済が発達した省ほど、より深刻な社会問題を抱えていると、記者に話している。

 程暁農博士は「多くの人々は中国の成功した地区の経済発展だけを見ているが、残念ながら中国のこのような政治経済制度下で発達した地区であればあるほど腐敗の度合いが深刻で、その腐敗が政府系統内に深く浸透しているとのことに気付いている人は少ない。現在、広東省が直面している一連の社会と企業あるいは社会と政府の衝突の多くは、深刻な腐敗訴訟事件と関わりがある」と述べている。

 程暁農博士は「まさに広東省はビジネス・チャンスが多いため、官僚権力が租税を探す機会も多い。その腐敗は不法に小規模で細々にやるというものではなく、すでに強制的に土地を奪い政府と民間企業が結託して政府の闇社会化に転じているということだ。それらが、はばかることなく社会の財産を略奪し、社会の対立を激化し、それによって絶えず大規模な住民デモが誘発されるのである」と述べた。

 * 艾肯森:政策による格差の拡大が衝突を招く

 艾肯森氏は、広東ではすでに一塊の巨富豪がいるが、同時にまた20年余りの経済改革の中で利益を得られなかった多くの人々がいるとみている。彼は、政府の政策が益々二極化され、貧富の格差を益々拡大させ、人々に絶望感を与えていると述べた。

 艾肯森氏は「このような格差は確かに不利益をこうむる人々に政府の政策が誤りであると感じさせるだろう。また彼らは、政府に向ってデモを行うこと以外に方法がないことも感じるだろう。私は、政府の政策は民衆に希望を与えるべきであり、努力し続けて働けば生活は必ず改善できるということを示さなければならない」と述べている。

 * 地方官吏はどのようにこれらの衝突を解決するのか?

 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」はこのほど、中央政府政策制定に参与した北京のある学者の談話を引用して文章を発表した。彼は、民衆が起こしたデモ問題を処理するに当たり、北京政府は決して強硬な手段を提唱しているわけではなく、根本的に問題を解決しようと試みている。中国指導者はすでに農民の負担を軽減し貧富の格差を縮小すると保証したという。「地方官吏の一部がこれらの衝突をどのように解決すべきなのかわからないのだ」と言う。

 これに対し、程暁農博士は、広東は巨額の外資を引きつけているが、現在のような社会衝突が途切れることなく拡大すれば、多くの外国投資家が次なる投資の行方を考えるのもやむを得ないとみている。

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