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米議会で証言するグリーンスパンFRB前議長=2008年10月、ワシントンDCで(Getty Images)

前FRB議長:世界同時不況の原因は中国などの新興国にある

 【大紀元日本3月21日】米国連邦準備制度理事会(FRB、中央銀行)のアラン・グリーンスパン前議長はこのほど、世界同時不況を引き起こした主な原因である米国住宅市場におけるバブルを招いたのはFRBの金融政策ではなく、中国などの国に高い貯蓄率であるとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙に寄せた文章の中で指摘した。また、一部の欧米の大手銀行は内部研究レポートにおいて、世界経済がさらに悪化するならば、それは中国経済バブルの破たんが主因だと警告している。

 *中国の高貯蓄率が世界住宅市場バブルを引き起こした

 グリーンスパン前議長は3月11日にWSJ紙に寄稿し、同氏は米国住宅市場バブルを招いたのはFRBの金融政策ではなく、長期固定住宅ローン金利の低下で、同金利を低下させた主因は中国などの国の高い貯蓄率にある、と示した。

 前議長は、「数十年において、米国の住宅ローン金利と短期金利(フェデラルファンド(FF)金利)と密接に関係している」とし、「1971年から2002年において、FF金利と住宅ローン金利は完全な同一歩調で動いていた」、しかし「2002年から2005年にかけて、住宅ローン金利(の低下)が住宅価格(の上昇)に11カ月先行した。住宅価格とローン金利の相関関係は非常に重要で、ローン金利(の低下)はFF金利よりもはるかにすぐれた住宅価格(の上昇)の指標となった」ため、「住宅ローン金利とFF金利の相関関係は無意義なことになってしまった。そのため、2004年から2005年にかけて、FRBは数回にわたって緊急利上げしたにも関わらず、住宅市場バブルの発生を阻止することができなかった」と述べた。

 グリーンスパン前議長は長期住宅ローン金利の低下を招いたのは90年代初期、中国及びその他の新興国の経済急成長による過剰貯蓄であると指摘する。同氏は「この意図的な過剰貯蓄は2000年初めから2005年において世界各国の長期金利を急低下させた」、「これによって世界規模の住宅バブルが発生した。これは住宅バブルを引き起こした主因だ」と話した。

 グリーンスパン前議長の考えは前米国財務長官であるヘンリー・ポールソン氏の考えと似ている。今年1月1日、英国経済紙「フィナンシャル・タイムズ」に対して、ポールソン氏は「貯蓄が進んだ中国とその他の急成長国と、支出の多い国々との間の不均衡が、今回の金融危機の根底にある」と語った。さらに、現任FRBバーナンキ議長も、中国の高貯蓄率は米国住宅バブルに責任を持つ、と話したことがある。

 *中国経済バブル破たんで世界経済がより一層悪化する

 中国語のニュースウェブサイト「博訊」はこのほど、一部欧米の大手銀行の内部研究レポートによると、中国経済バブルが破たんすれば、世界経済がさらに悪化し、その深刻さは米国発の金融危機を上回るだろう、と報道した。

 同サイドによると、ダウ工業株30種平均指数が一時7000ポイント台を割り、現在7000台に回復しているが、中国経済低迷が原因で将来数か月の間米国株市場は下落し続けるだろうと予測しているため、米国の一部の大手銀行は米国株式の保有を減少している、という。

 これらの銀行の中国経済についての評価は主に2つの要因に集中している。1つ目は、中国不動産企業は不動産開発を必要以上に行っており、現在上海などの都市における投機的あるいは投資的な住宅購入が頻繁に行われているが、使われていない住宅の賃貸価格は非常に安く設定されていること。2つ目は、中国輸出が急激に減少しており、企業が相次ぎ倒産し、失業率も急上昇していること。中国政府は国内失業率は5%に達していないと公表しているが、しかしそれに対して多くの海外エコノミストは中国の失業率はすでに30%超えていると認識している。

 *中国は自由貿易の守護者であるか?

 中国政府が発表する経済統計データの信憑性が低いため、中国国内経済状況は人々の思ったより悪化していると思われている。そのため、中国政府がどのようにこの不況を対応していくかは世界各国に注目されている。WSJ紙は13日付の報道の中で、いくつかの問題に関する中国政府の政策に注目すべきだと示した。

 まず1つ目は、これまで絶えず議論してきた人民元問題。米国のガイトナー財務長官は1月に米上院財政委員会の質問に対して、オバマ大統領は「中国は人民元レートを操作していると確信している」と回答した。

 現在、人民元の対ドルの上昇基調が停止している。中国政府が中国輸出の競争力を強めるために、元安にせざるをえない状況に直面している。しかし、元安措置を実行すれば、直ちに米国政府から猛烈な抗議を招くに違いない。

 また、WSJ紙は中国政府及び国営企業の行動に注目すべきだと示した。今年、中国政府の電信通信産業担当部門は巨額な収益を期待できる3G技術(第3世代携帯電話)のインフラ建設請負の入札を行う予定。業界筋は、アルカテル・ルーセントやエリクソンなどの外資企業よりも、華為や中興などの中国大手国営企業が先に建設の契約を手に入れるだろう、と示した。

 WSJ紙は、明らかに中国は唯一の「表で自由貿易を高唱しているが、裏でそれと逆な行動をとっている」という国ではないが、しかし中国経済の世界貿易への重要性から、その行動は非常に関心が集まるものだ、と評論した。

 
(翻訳編集・張哲)


 (09/03/21 10:46)  





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