【大紀元日本11月6日】ドイツのメルケル首相が米国訪問中の3日、ワシントンの米連邦議会で初めて演説を行った。欧州の共産主義終結に繋がったベルリンの壁崩壊から20周年になるのを前に、メルケル首相は、米国歴代大統領が冷戦期間中西ドイツと共に共産主義に対抗し、東西ドイツの統一に貢献したことに深い感謝を表し、米国との強い同盟を訴えた。また、米国議員らに、21世紀に存在するほかの壁を崩壊させる強さを見せようと呼びかけた。
独首相が米議会で演説したのは、1957年にアデナウアー旧西ドイツ初代首相が上院と下院で個別の演説をして以来、初めてのこと。
「アメリカへの恩は忘れない」
プロテスタントの牧師であった父が東ドイツ担当となったため、メルケル首相は幼少から東ドイツに移住した。30分の感情に溢れる演説の中、メルケル首相は、暗い当時を振り返り、ベルリンの壁崩壊を助けた米国に深い感謝の意を表した。
「私もドイツ人も、どれだけアメリカの人々に恩があるかを知っています。私個人としては、この恩を決して忘れることはありません」と、ドイツ統合や、新たなドイツが欧州・大西洋圏の一員となることに貢献した米国を讃えた。
「コンクリートの壁が立ちはだかり、鉄条網がめぐらされ、自由主義世界にアクセスしようとする者には発射命令が出されていました」。西側に居住する親戚から書籍や映画を密輸入することで、米国を理解した。「私は、努力次第で誰もが成功する機会を与えてくれる『アメリカン・ドリーム』に夢中でした」と当時を振り返る。
「ゴルバチョフ、門を開いてください。ゴルバチョフ、この壁を倒してください」。レーガン前大統領が1987年ベルリンで行った演説の中の名文を引用、メルケル首相は、米歴代大統領が冷戦期間中西ドイツと共に、共産主義に対抗したことに言及し、米国との強い同盟関係を訴えた。
「21世紀の壁」
また、米両院の議員らに、米国がかつてベルリンの壁を崩壊させたと同様、21世紀の壁も倒す強さを見せようと訴えた。
「21世紀の壁とは、精神の中にある壁であり、近視眼的な自己利益の壁であり、現在と将来との間にある壁」であるとメルケル首相は定義し、これらの壁の崩壊は、「自由、安全、繁栄、正義を生み出す」こと、つまり「地球を守ること」につながると展望を示した。
具体的には、北極の氷河溶解、アフリカの難民問題などに言及。地球温暖化に関しては、来月、デンマークのコペンハーゲンで開催される国連気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)で、欧米が拘束力のある合意を受け入れることを示せば、中国やインドの参加も説得できると、オバマ政権の指導力を促した。
世界金融危機に関しては、結束して対処することを訴え、グローバルな規範、透明性、公平な監視がなければ、自由は侵害され不安定な経済に陥ると、世界的な枠組みの必要性を説いた。
メルケル首相は、統一後のドイツにおいて、初の東ドイツ出身の首相。今年9月、キリスト教民主・社会同盟を率いるメルケル首相は、総選挙で、ビジネスに支援的な自由民主党との連立政権で過半数を確保し、これまで望んでいた中道右派政権を樹立している。2005年に首相となって以来、フォーブス誌に4年連続で「世界で最も影響力のある女性」に選ばれた。
(編集・鶴田)
(09/11/06 07:14)
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