THE EPOCH TIMES

英国バイリンガル子育て奮闘記(69)選ばれない子… (1998−2000年)

2011年01月10日 07時00分
 【大紀元日本1月10日】イギリスの学校では、一概に「部活」の概念はない。前の小学校では、放課後にガーデニング・クラブとかスポーツとかはあったが、やりたい児童が残る程度で、私が育った日本でよく見受けられた「協調性」や「忍耐力」を身につけるための部活の存在は、中学、高校に上がっても見当たらなかった。

 足の速い子とか持久力のある子などは、先生から選ばれて特別にトレーニングを受け、学校代表、地区代表などになり、他校との競技に参加しているようだったが、娘にとっては「どこ吹く風」という感じで、まったく縁のない話だった。

 私立に転校して、これまでの何でも平等主義の公立とは違うなと感じた。皆が違ってあたりまえ。出来る子はどんどん伸ばす、という方針があちらこちらに見受けられた。

 親子面談もあった。小学校の段階では、まだ個別面談はなく、一部屋に点々と机が並べられており、別の教科の先生が座っている。話したい先生を目指して列につく。紅茶とビスケットのトレーも用意されていたが、これは親に同伴する生徒がつまみ食いしていた。

 一年に2回か3回、このような面談があったと思う。娘の場合は教科の先生に一律に「おとなしすぎる」と言われ、教室で発言しない日本人の沈黙を守っていては、お叱りを受けることを実感させられた。

 そんな中で、娘を褒めてくれた先生が二人いた。美術と音楽の先生。美術の先生は、5年生の時、娘が鉛筆で影をつけ始めたのを見て、その感動を私に伝えてくれた。私は感動に値するものなのか、キョトンとしていた。音楽の先生は、ちょうど退職する手前のベテランで、いつもニコニコしており「コーラスに参加するように勧めてるんですけれどねえ」というコメントも別に悪いようには聞こえず、She is lovely(いい子よ)と一言おっしゃてくれた。こういう包容力を私も持ち合わせたい、と先生の人間性の方に惹かれてしまった。

 (続く)


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