■大紀元日本 http://www.epochtimes.jp/jp/2008/12/html/d23751.html



風船を売る83歳の孫玉蘭さん

寒風に風船を売るお婆さん

 【大紀元日本12月6日】12月、中国内陸部の河南省鄭州は、吐く息も白いほど寒い。その鄭州で、毎晩街を歩いて風船を売る「気球奶奶(風船お婆さん)」が話題となっている。

 鄭州晩報によると、このお婆さんの名は孫玉蘭さんといい、今年83歳。毎晩8時から10時まで、杖をつき、昔の纏足で小さくなった両足を引きずるようにして、繁華街で風船を売り歩く。昼間は、スーパーマーケットや動物園の入り口に立って売る。

 玉蘭さんの実家は河南省周口市の農村にあるが、3年前に鄭州へでてきて孫娘と同居しながら風船売りをしているという。初めは、屑物を拾って換金する仕事をしたが、足の歩みが遅いためとても稼ぎにはならなかった。

 ある人が玉蘭さんに「いっそ物乞いになったほうが金になるよ」と勧めたところ、玉蘭さんは怒り、「あたしゃ物乞いになんかならないよ!」と毅然として答えたという。 道行く人が気の毒に思って金銭の施しをしようとしても、彼女は絶対に受け取らない。

 そのような玉蘭さんを見た、ある女子学生がいた。彼女は、思い切って玉蘭さんの前に進み、風船を一つ買った。それが縁となって、4日後の夜遅く、玉蘭さんの住まいを彼女は初めて訪れることになる。孫娘はもう寝ていた。狭い部屋の中には、売り物の風船と、外から拾ってきた屑物が散乱している。

 彼女が玉蘭さんから聞いた話は次の通り。

 同居している27歳の孫娘は、玉蘭さんの次男の子であるが、親がその子を捨てて逃げてしまったので、玉蘭さんが女手ひとつで育てた。中学を卒業し、今は小さな工場で働いているが収入は極めて少ない。父親である次男は、黒龍江省へ行ったきり音沙汰もない。

 60歳になる長男は比較的近い所にいて、玉蘭さんのために毎月の家賃だけは入れているが、重い胃潰瘍を患っており、胃が痛み出した時には七転八倒となる。

 玉蘭さんの実家には、もう一人「子ども」がいる。12年前、1歳の捨て子を引き取り「小傑」と名付けて育てた。小学校5年生になる小傑には、先天性の脳疾患があり、発育が遅れている。

 小傑に、清潔な衣服とカバンを買ってあげたい。長男の胃潰瘍を治療してあげたい。黒龍江省にいる次男にも会いに行きたい。70歳になる自分の弟の世話もしてやりたい。そんな思いから、玉蘭さんは足を引きずって今日も風船を売っている。

 玉蘭さんの話を聞いた女子学生は、強く心打たれ、その話を中国のネットに載せた。

 ネットユーザーからは、玉蘭さんの姿に「感動した!」「すばらしい」「涙が出た」という声が次々と寄せられている。

 女子学生は学校の教師10数人に呼びかけて、12月6日に、皆で玉蘭さんの風船を買うことにした、という。

(翻訳編集・鳥飼)