大紀元時報
憲法と法治国家

李克強首相が宣誓に立ち会い 宣誓文から消えた言葉とその意義

2016年10月03日 19時34分
9月18日午前、李克強首相は北京で行われた官僚の就任宣誓に立ち会った(写真/人民報)
9月18日午前、李克強首相は北京で行われた官僚の就任宣誓に立ち会った(写真/人民報)

 どうして憲法なのか

 憲法という語は英語でconstitutional law、ドイツ語ではVerfassungと呼ばれ、どちらも国家の構造を示した法という意味だ。近代的な憲法の概念はフランス革命以降に形作られ、憲法は国家の基本形態と統治機構を定めるとともに、国家権力を束縛し国民の自由と人権を保障するものだ。

 国家の基本法に対して宣誓することはすなわち法律を尊重・遵守し、法律の定めるところの職権を行使し法定の職務を果たすことを意味する。このことは習当局が現在進めている「法によって国を治める(依法治国)」に直結する。

 これに対し共産党政権は一貫して法律や憲法、そして国民の基本的人権を無視してきたと言える。共産党が1949年に中国を占領するとすぐに「土地改革」を行い、地主や抵抗する農民を虐殺し、その財産を奪った。その後の「反右運動」では多くの知識人を右派として処刑し、続く大躍進では数千万人と言われる国民を餓死させた。文化大革命では紅衛兵により多くの文化遺産が破壊され、中国国内で暴力がはびこった。1989年6月4日に起こった天安門事件では戦車と機関銃で一般市民と大学生を殺害し、1999年7月20日からは法輪功学習者に対し国家権力を総動員して弾圧を加えた。

 これらの「運動」や政策に法的根拠があったのだろうか、使用した手段は合法的なものだっただろうか。答えは否である。創立当初から違法な活動を行って勢力を拡大し、政権を維持してきた共産党にとって、法の支配を確立させようとする習氏の動きは共産党の息の根を止めることに等しいのではないか。

憲法典に片手を置き宣誓を行う中国高級官僚(写真/人民報)

 法治国家への道

 海外中国語ニュースサイト「人民報」が9月19日に発表した評論は、この宣誓儀式を「普通のニュースとは一味違う、画期的な」出来事であり、「『中国共産党による中国』から『中華民族による中国』への転換の現れ」だと評価している。

 2011年習近平氏が国家主席に就任し、共産党統治下の中国で計画的に「法によって国を治める(依法治国)」を実施してきた。2014年10月に開催された「第十八期中国共産党中央委員会第四回全体会議(第十八回四中全会)」では「法によって国を治める」のテーマのもと、重大な決定ミスの責任を生涯にわたり追求する制度を作った。2015年5月からは「事件があれば必ず捜査し、訴えがあれば必ず審理する」という原則を裁判所に要求し、その結果約20万人の法輪功学習者及びその親族が江沢民による残酷な迫害と人権弾圧を告発している。

 中国時事評論家・夏小強氏の分析では、習当局が生み出した憲法に対する宣誓制度も、習氏が就任後行ってきた「法によって国を治める」に関する一連の政策もすべては江沢民派を駆除・処理するための産物であり、中国政治の核心的問題である法輪功と関係する。

 夏氏によれば、これらの現象から分かるのは、習近平氏が行ってきた様々な政策は、最終的に江沢民を逮捕し、彼を裁判の場に引き出すことに照準を合わせていることだ。

(文・文亮)

関連キーワード
^