【大紀元日本12月4日】インド政府は1日、端末固有番号のない中国製携帯2500万台への電波配信を禁止した。通信業界のセキュリティを高めるための最新の措置として注目される。
緊迫する中印紛争を裏付ける動き
インド通信庁の高官によると、15桁の端末固有番号IMEI(International Mobile Equipment Identity)のない中国製の格安携帯電話に対する電波配信を禁止した。
匿名要求でAFP通信の取材を受けた通信庁の官員の話によると、政府はセキュリティを考慮し、すべての電信業者に、中国製携帯2500万台への電波配信を停止するようと命じた。
同官員は、端末固有番号IMEIがない携帯電話は追跡不可能のため、既にセキュリティへの脅威となっていると話す。
不正機種の利用者には、正規のハンドセットに切り替えるために2週間の期間が設けられている。また、使用者が携帯電話会社に電話を登録し、IMEIを199ルピー(約380円)で購入することも可能であるという。
インドでは以前から、正規の固有番号を持たない携帯電話の輸入禁止を行うなど、この分野での警戒を強めていた。今回の電波配信停止に伴い、インド政府は、中印国境地域における中国製通信機器の使用に関する調査も始めており、国境紛争がより広域な形で緊迫化していることを裏付けている。
インドメディア最近の報道によると、中国製の機器には特殊なエレメントが埋め込まれている可能性があり、サイバー攻撃や機器のシャットダウンが起きるかもしれないと、インド諜報機関は警告をしている。
今回の措置は、カシミール地区とジャム地区のセキュリティをはかるため、プリペイド携帯電話の接続を停止するという決定に続くもの。テロリストがプリペイド携帯電話を利用しているという情報に基づき10月14日に発表され、11月1日から停止されたもので、紛争のある北西地区の380万人の利用者に影響しており、強い反発を買っている。
業界の反応
5億人の携帯人口を抱えるインドは、 携帯人口6億人の中国に次ぐ世界第二位の巨大な携帯市場だ。
1日、インド携帯電話オペレーター協会(COAI: Cellular Operators Association of India)は、通信庁の命令に従って各電話会社は不正電話への配信を停止していると伝えた。「配信停止を始める日の延期を求めたが、延期はされなかった。通信庁の定めた日から停止している」と同協会総裁のドゥア氏は語る。
また、 業界のもう一つの団体であるインド携帯電話協会(ICA: Indian Cellular Association)の国内コーディネーターであるマタイ氏は、「一時的にネットワークのオペレーターに影響は出るが、不正電話の使用を許すほうが、大きな失態につながる。ほとんどのハンドセットは、グレーマーケット(不正流通市場)で取引されている。ノーブランド市場が通信業界に加わったことは、オペレーターにとっても政府にとっても深刻な問題だった。安全性を考慮すれば、配信停止は極めて重要だ」と政府の措置を支持している。
(翻訳編集・鶴田)
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