THE EPOCH TIMES

【佛家故事】 天の福を受ける理由

2015年03月18日 07時00分


 彼は国王たちを前へと案内し、金のベッドに座るようすすめた。樹提伽の妻がゆっくりと歩き出し、国王にお辞儀をした。彼女が頭を下げると、彼女の目から涙が流れている。国王が泣いている理由を聞くと、「国王の身についている煙で涙が出てしまいました」と答えた。国王は「庶民は脂を使い、諸候は蜜を使い、天子は漆を使う。漆は煙がないのになぜ涙が出るのか」と聞いた。樹提伽は、「家は明月真珠が宮殿に掛かっていて、昼夜明るいため、火を使わないのです」と答えた。それを聞いて国王はなるほどと納得し、大喜びした。樹提伽の広間は十二階もあり、雄大で壮観な建物であった。国王はそれぞれの部屋から見える風景を楽しんでいると、いつの間にか一ヶ月経ってしまった。大臣が宮殿へ戻るよう説得したが、国王はもう一ヶ月庭園を遊覧した後に戻ると言った。

 国王たちが宮殿に帰る時、樹提伽は絹織物を土産として二十万人に渡した。国王は宮殿に戻り、臣下たちに言った。「なぜ樹提伽は私の臣下なのに、私よりも裕福な生活をして、莫大な財産を所有しているのか?私は四十万人の兵士を率いて彼の財産を奪い取ろうと思うが、どうだろうか」と聞いた。臣下たちは「賛成です」と答えた。 

 そして国王は、四十万人の軍隊を動員し、樹提伽の家を厳重に取り囲んだ。その時、門から一人の大男が歩いてきて、金の杖を振り回すと、四十万人の兵士が一斉に倒れて立ち上がれなくなった。樹提伽が雲母宝車に乗って現れ、「立ち上がりたいか」と聞くと、皆は「はい、助けて下さい」と答えた。樹提伽が手を上げ振ると、四十万人の兵士は再び立ち上がった。国王はこれを見ると、引き上げることにした。

 その後、国王と樹提伽が一緒に釈迦牟尼佛に会い、樹提伽の前世の因縁を聞いた。「大昔、一人の商人が山道で、病んだ僧侶を見かけた。商人は僧侶を憐れみ、家に招き入れ、食事を作り、一生懸命世話をした。商人はこの功徳を持って『来世は天国の恵みを受け、佛道を修め、衆生を済度する』と発願した。彼は過去の布施のため、今生は地上にいながら天の福を受けられるのだ。その商人はすなわち樹提伽で、病んだ僧侶は私なのだ」

 (清代の周思仁『安士全書』より)
 

(翻訳編集・蘭因) 
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