緊迫の朝鮮半島

ギリギリの圧力と条件付き接触 米中の対北朝鮮「アメとムチ」政策

2017年09月10日 11時00分

 あるアナリストは、北朝鮮に対する習政権の方針が、強硬姿勢一点張りでなく「アメとムチ」政策を取っているようだと指摘している。米国の対北朝鮮政策に歩調をそろえる一方で、今年の秋に予定されている19大の前に波風を立てたくないという思惑があるからだとも分析している。

 ニューヨーク在住の政治評論家・朱明氏も、習主席は今秋の19大で最高指導層の人事入れ替えに直面し、内政、特に腐敗官僚の処理に集中するため、今の時期は国際関係を穏便に保ちたいと考えているのではないかと分析する。

 また、北朝鮮という「ならず者国家」に対しては、アメとムチの政策以外、効果的な術がないと指摘する声もある。

米国は条件付きで北朝鮮との対話の可能性を表明

 習政権のこうした手腕は、米国が北朝鮮に対し示してきた戦略と相通じるものがある。

 米国と北朝鮮特使は5月8日、ノルウェーで会談を行い、半年間の断絶状態に終止符が打たれた。日本メディアは、緊迫する朝鮮半島情勢から現状を打開するため、中国側が密かに米朝双方の意向を伝える仲介役を担ったのではないかと報じた。

 共同通信社は5月9日、複数の外交筋の話として、北朝鮮が核・弾道ミサイル開発を放棄すれば、トランプ政権は金正恩総書記の訪米を招請し、首脳会談を行う用意があると伝えた。米国は北朝鮮の体制維持と、38度線停戦ラインを超えて北朝鮮を攻撃しないことを保証し、朝鮮半島の統一も急がないと表明している。トランプ政権はすでにこのことを北京側に伝えている。

 同記事では、トランプ政権がこうした発言を行ったのは、北朝鮮側の態度を軟化させ、朝鮮半島の緊張を緩和する狙いがあるからだと指摘している。米国のこうした硬軟とりまぜた戦略について、東アジアで戦闘が起きることを懸念する日本政府も支持を表明している。

 トランプ政権の対北朝鮮の手法は「ギリギリの圧力」と「条件付き接触」であり、米国と北朝鮮を再度交渉のテーブルにつかせるよう、北京側も密かに根回しに動くだろうと指摘する分析もある。

(翻訳編集・島津彰浩)

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