THE EPOCH TIMES

高智晟著『神とともに戦う』(30) 孤独な者の孤独な夜④

2010年05月03日 08時10分


 毎年、全国人民代表大会や政治協商会議、あるいは重要なイベントを迎えると、メディアからは毎回「全国の人民が喜びあふれる」様子が伝えられる。これを耳にすると私は自然と彼らを思い出す。「全国の人民が喜びあふれる」日はどれも、彼らにとって最も辛い日となるからだ。彼ら陳情者や「法輪功分子」および「六四天安門事件の被害者家族」は、みな厳しい監視下に置かれる。特に「法輪功分子」や長期間にわたって陳情する人が、「全国の人民が喜びあふれる」日に連行されるのは、もう日常茶飯事となった(最近では、福建省泉州の34歳の博士課程を修了した研究生・林燕清。瀋陽の拘置所で非業の死を遂げた48歳の王金鐘。そして湖北省武漢の37歳の倪国濱。彼らの家族は私への手紙の中で、この種のことを告発した。特にすでに亡くなった王金鐘がまだ生きていた頃、毎回このようなイベントを迎える日には決まって連行されたという)。

 これらの人々ももちろん、メディアや大物スターの「愛」や人道主義的な心遣い、援助をより必要としている。身近にいる同胞の非人道的な境遇に対して、心がいささかも動かないというのか。これでは、この種の援助の人道的な色合いに首を傾げてしまう。ここまで筆を進めて来て、私はふと昨今ドイツのテレビ局が報道した内容を思い出した。広州大学地区の野蛮な強制立ち退きの愚挙のせいで、数百戸の農民が帰る我が家を失った。本来自宅を所有していた彼らは今、どんな悪天候であろうと自分の立てた粗末なテントで夜を明かさなければならない。私を苦しめるのは、「愛」を声高に喧伝しているメディアと大物スターが、これら目の前にいて援助を求める同胞に関心を向けないことである。

 (続く)
 

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