THE EPOCH TIMES

<赤龍解体記>(21) 挟撃される温家宝の行方は?(その2)

2011年07月04日 07時11分


 ■温家宝の未来は趙紫陽か、それともゴルバチョフか

 中東・北アフリカのジャスミン革命の影響を受け、中国国内でもさまざまな反体制的な民衆運動が起きている。

 チベット族、新疆ウイグル族、内モンゴルのモンゴル族の他、中国各地でも中共独裁や腐敗を反対するデモやテロや騒乱が相次いでいる。五月が「爆発の月」と呼ばれるほど、中国はいま未曾有の不安定期に入っており、長期に溜まっていたマグマがいきなり大噴出する前兆がすでに見えているのである。

 こういった状況を踏まえ、中共は言論統制や情報規制などを行い、暴力をもって強制的に立ち上がる国民を弾圧するほか、党内での異なる声や行動を牽制し、全体一致で難関を乗り越えることが何より重要である。

 しかし、中共の指導部はすでに分裂し、さまざまな政治デマが世に満ち溢れ、マスコミも指導部もつねに矛盾した言行が見られ、歩調が乱れている。この状況はまさに一九八九年の天安門事件前と同じである。現状から見れば国民の憤りは簡単に押えられないし、党内分裂を公開してしまうことも避け難い。

 中共の歴史を見れば分かるように、難関を乗り越えるために国民のみならず、党内の異分子を共に犠牲の祭壇に送り出さなければならない。したがって、異分子として激しく責められる温家宝にとって、今後の道のりは決して平坦ではない。

 温家宝の未来像には三つの系譜があると考えられる。一つは大志を所持したまま無事引退する。二つは胡耀邦や趙紫陽のように中共党内闘争の犠牲となる。三つは国内外情勢の激変により多大な支持を得て中国のゴルバチョフまたはエリツィンになる。

 左派たちの非難や跳梁に対し、杜導正氏は「かまわなくてもよい。われわれは是々非々、闘争し合ったりしてきたので、もうかなりの経験を積んでいる。もし温家宝首相が軟禁されたら、中国はすぐ混乱してしまうから」と楽観視している。

 温家宝の一貫した言行からすれば、彼の座右銘の中の「天変」とは「中共崩壊」、「祖宗」とは「共産主義」、「人言」とは「党内外からの批判」と読まれないものでもない。そうだとすれば、彼は簡単には大志を諦めるわけにはいかず、徹底的に戦っていく可能性は十分あると考えられる。では、彼は己の大志をどこまで貫けるのか、それによって中国は今後いかなる展開をみせるのか、これらはきわめて興味深いことであり、意味深いことでもある。
 

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